抱きしめ返してくれたその腕に時間も忘れて何度も抱かれ、体を起こすのも辛いぐらい容赦がなかった。
なぜここまで抱くのかとたずねても返ってくる答えは…
「男の願望だ」
と言うばかりで答えになってない。
何が男の願望なのか?女の私にはわかるわけがない。
指先にさえ力の入らない体を沖に打ち上げられた魚のようにバタつかせても、ベッドから起き上がることもできずにいるのに、隣でタバコを吸う男は満足気に私の髪を撫で、そのまま背中を指先がスッーとなぞっていく。
さっきまでの余韻が残る体は、敏感に反応して体に力が入らないのに反射的に身をよじってしまう。
「んっ…やだ、いたずらはやめて」
私の抗議の声も彼は楽しんでいる。
「……反応良すぎ」
「…もう、そんな意地悪するなら2度としないんだからね」
彼に触れられればそんな言葉なんて意味がない事はわかっているけど、言わずにはいられない。
そんな私の耳元で、今まで聞いたことのない切ない声で、甘えるようにぎゅっと背中に抱きついて体重を乗せてくる。
「しないっていうなよ。杏奈を抱けないなんて地獄なんだけど…なぁ、せっかくのクリスマスにケンカしたくないよな?」
年上のくせに、これはもう駄々をこねた子供だ。



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