と手を繋いで、中居さんに案内されて後について行く。

もう、何がなんだか…ドキドキが止まらない。

本館から離れ、屋根のある廊下を歩いて案内された部屋は、離れの部屋になっていた。

和室で中居さんからの簡単な説明を受けている五十嵐さんは落ち着いている様子だが、私はちっとも落ち着かない。

大きなガラス窓の外には大きな露天風呂があり、和室から見える部屋の前でたじろぐばかりだった。

板張りの部屋には、クイーンサイズぐらいのベッドが1つしかなく、その奥には引き戸が2つ…トイレに脱衣所と洗面所、その向こうは浴室だと説明を受けている側で私は身動きできないでいる。

この宿は時間を忘れてゆったりと過ごしてほしいからと、食事の時間帯が決まっていないらしく、電話1つで食事を頼めるシステムだとか…目につく電化製品は、固定電話、ポットに小さな冷蔵庫とテレビぐらい。

中居さんが説明を終え出て行くと、五十嵐さんが背後に立った。

「クリスマスまでここで過ごすけど、いいよな⁈」

肩にかけていたコートがストンと落ち、うなじにかかる彼の吐息と甘い声が私を狂わせる。

久しぶりの感覚に、肌が泡立ち身震いすると彼の唇がうなじに触れた。