わたしは 隣に座っていた お母さんと 一緒に立ち上がり、 お香を焚きにいく。 そのとき 彩絵姉ちゃんのお母さんに 挨拶をしようとすると 肩を震わしながら 小さく泣いていた– わたしのお母さんと彩絵姉ちゃんのお母さんは わたしと彩絵姉ちゃんのように よくご飯に行く仲だったみたいで、 わたしのお母さんの顔を見るなり 今まで我慢していたものが噴き出したのか 声を出して ワンワンと泣き叫んだ ––