何もたもたしてるの。さっ。早く行くよ」
 ホームルームを終え、帰る支度をしているとほたるが話しかけて来る。
 振り返るとそこにはほたるとモモが立っていた。
 ふたりの目はギラギラしており何か嫌な予感がする。
 モモはもう怒っていないようだ。
 ならここは普通に接して問題ないだろう。
「行くってどこっ・・・・・・」
全てを話す余地を与えてくれず、ふたりに片腕ずつぎゅっと抱えられながらいやむぎゅっと?ぷにっと?とりあえずやわらかいものに押し付けられながらぴゅーんっとどこかに連れ去られる。
目的地に着いたらしくほたるが扉を勢いよくバーンっと音をたてながら部屋に入る。
「お待たせー」
ほたるの弾んだ声からワクワクしている感じが伺える。
「おう、依頼人もう来てるぞ」
青山も待ちくたびれたかのように話す。
「ごめん、ごめん。思ったよりホームルーム長引いちゃってさ」
そう言うほたるをよそに僕は周囲を見渡し現状を把握する。
場所は部室で救済部のメンバーが全員揃っている。
手前のソファーには少しチャラい風貌をしているが物静かそうでいかにも高校デビューです的な童貞男子生徒と私は純粋無垢で男性のこと何もわからないんですと男に媚びを売っていそうな今流行の清純派系ビッチの女子生徒が座っている。
制服から見て他校の生徒のようだ。
テーブルの上にはお菓子とお茶が用意されている。
おそらく依頼人はこのふたりだろう。
向かいのソファーには難波と青山が座っていた。
だいたい現状は把握できた。
救済部の初の依頼が来てみんなはしゃいでいるといったところか。