神様の敷いたレール

「それよりそういう水月こそ動揺のひとつもしないですごいね。」
目線をものすごい勢いで泳がしながら両手の人差し指を胸の前で突きながら早口でまくし立てるように話題を反らす。
ちなみに俺は人差し指でその豊満な胸をつんつん突きたいです!
「まあ、こういうのには慣れてるから」
「慣れてるって?」
 不思議そうな顔で話の続きを促してくる。
「そこは企業秘密かな」
「えー 教えてよー」
「だーめ」
「いーじゃん、ケチ」
頬を膨らませながらふてくされる。そんなかわいいことしても教えてあげないんだからね。ほ、ほんとだぞ。
「それより今日部活は?」
「せっかくの部活初日はみんなでやりたいでしょ。なのに誰かさんが来ないから今日は休みになったの」
ジト目で見て来るモモ。
そんなに見つめるなよ。
好きだと思ってるって勘違いしちゃうだろ。
世の中の男子は単純でバカな生き物なんだぞ。
目が合う。たったそれだけで自分に好意があるんじゃないかと舞い上がってしまうバカな生き物なのだ。