神様の敷いたレール

なのに体力が尽きるまで全力疾走したときのように呼吸が荒く不足した酸素を名一杯取り入れようとしているみたいだった。

でも僕はこのときなんかゼエゼエしているくらいにしか考えていなかった。

脳への血流低下により思考が停止し考えられないでいたのかもしれない。

やがて意識は鮮明になっていき視界が明るくなっていく。

このときに僕は呼吸が荒くなっていることを自分で理解し座っていたはずの僕が立ち上がっていて暴れまわっているのが認知できるようになっていた。

首輪で拘束された犬が暴れまわるように短いテレビのケーブルで動ける範囲を規制されながらおぼつかない足であちこち歩きながら暴れいるのがわかった。

意識が鮮明になっていくほどそれは明確に理解できるようになっていく。

おそらくこれが防衛本能なのだろう。

気絶し無意識の状況下でも生きようと立ち上がり必死にあがいたのだ。

しばらく経つと自殺が失敗したのだと認知できた。
確かに輪はきつくなっていたけど死ぬほどの締め付けられてはいない。
ましてや立っている僕は首に体重すらかかっていないのだから死ねるわけがない。
そう悟った僕は首の輪を外した。