こんなはずじゃないって
想えば想う程 空回りして

何もかもが上手くいかない。



マフラーにだって
セーターにだって

本当は

自分の望んだ形にできるハズなのに。



ぐるぐるに絡まってしまった心の糸は

ほどこうとすればするほどからまって

さらに息苦しくなるだけ。



まさに

不の連鎖…。



まんまと引っ掛かってしまっていたんだなぁ…。



幸いなコトに あたしには
気遣ってくれる人たちが

周りに
たくさん居てくれたのに



そんな

優しさにすら…
答えられナイ程になっていて



もぉ…

救われようもナィってくらい落ちていた頃。



誰にもできなかった
魔法を かけてくれたのが

他でもナィ…。



鷹里 光輝 だった。



もう誰も

一歩たりとも踏み入れさせない…。



触れられるコトを拒み続けたあたしの心に…



彼は

まるで
そよ風みたいに…。



自然に
あたしの傷ついた心に

寄り添って
優しく包み込んで

癒してくれた。



癒えるコトなんかナィと
思い込んでた傷口を

跡なんか
わかんないくらい。



まるで

無かったかの様にまでしてくれた。



例え
世界は認めなくても…。



鷹里博士は
天才なんです。



「美月??手伝ってくれるのなら・頼み事してもイイか?!」



しんみり物思いに ふけっていたら

研究所の方から
博士の声がした…。



「あっ…はぁぁぁい!!」



いつもだったら

子猫たちに
ご飯をあげて

あたしは

そのまま お家に帰るんだけど



次の日に
バイトが入って無い時は

けっこう
遅くまで手伝いをしてくの。



この身長のせいかは
わからないケド…

童顔ってコトも作用して

あたしは・高校生と間違われちゃうコトが多いの…。



そんな あたしでも

ちゃんと
成人式に出席したんだから。