「倉庫の品…こんなに散らかしちゃって…ごめんなさい」



そのまま下を向いたまま
ペコリと頭を下げた。



−ぽんっ ぽん−



頭の上で
博士の手が弾む。



「一生懸命 探してくれて・ありがとう」



いつでも そう。



落ち込んで
泣き出したくなりそうなトキ



そんな悲しみを
拭ってくれる

魔法の掌…。



見上げると

やっぱり大好きな笑顔が
そこには有った。



何でだろう…。



ドキドキが止まってくれナィ…。



今日のドキドキは
いつものドキドキと比べて



なんだか少しだけ…

ほんの ちょっぴりだけ

チクチク痛い…。



「特別ご褒美に・俺のイチゴ1つダケ…美月のに乗っけてやるなっ」




光輝のバカ…。



何でか心の奥が
さらに苦しくなった。



「どこか痛くなってきたのか?!」



あたしの反応が

博士の予想したモノと
違かったからか

心配そうに
顔を覗き込まれる。



優しくされれば
してもらえる程

心が痛くなって
素直になれナィ…。



こんなままじゃ
絶対にダメ!!



意を決して
大きく一つ頷いた。



「スペシャルボーナスで…鷹里博士のイチゴ・もぉ1つ あたしのケーキの上に追加!!」



わぁぁぁぁ〜いっ!!



って両手を上げて
猛ダッシュで

散らかしっぱなしの倉庫から
食堂へと駆けてった。



「おいっ!!コラ!!美月ぃ!!イチゴは…せめて1個と半分だ!!2個は譲れんぞーっ!!」



光輝のアホ…。



本気で慌てながら
追いかけてくる博士の声。



なんでか凄く
幸せを感じた…。