ガタンッ



と勢いよく開かれたドアの向こう

駆け寄ってくる博士のスリッパが

鼻の頭の近くに見える。



「えへへへ…倒れちゃいましたぁ」



こんなに
ぐちゃぐちゃにしちゃって

怒られちゃうかな??



力無く笑ってみせたら



「えへへじゃないだろー」



って博士は溜息を一つ。



「まったく…」



もしかして
愛想つかされちゃった??



博士の腕が

ぐいっと延びてきて



「痛い所は無いか?!」



あたしの頭の上に乗せられる。



「はっ…はい!!」



多分
あたしの顔は真っ赤。



だって・・・



「そうか…」



博士は一息ついて



「それは本当に良かった」



そんな優しい言葉と



あたしの大好きな

優しい笑顔を
くれるんだもの…。



「立てるか??」



そぉゆって博士は

あたしが起き上がるのを助けてくれた。



「あっ!!鷹里博士!!これっ」



ニコーっとしながら

バランスを崩した時も

ずっと
手放さなかった

赤い羽を
博士に渡した。



「随分と…上の方に有ったみたいだな」



博士は

散乱している大切な物たちと

ひっくり返った脚立と
あたしをみて

苦笑いをした。



「150ギリギリの おちびちゃんには…ちょっと過酷だったかな??」



博士の意地悪
笑顔は

あんまり好きじゃない…。



とっさに



「151.4もあります−!!博士たる者が…正確な数値を示せ無いだなんて…それこそ問題だと想いますぅ−っ!!」



1と・4の値に力を込めて


ぷくぅーっと

両方の頬っぺたに空気を入れながらの反論。



「ほらほら…膨れっ面ばっかりしてるとカエルになってしまうぞ??」



その言葉に

ますます頬っぺを膨らますケド

博士の長くて細い
少し冷たい指先が