佳は、やりたくてやったわけじゃない。 契約に縛られてやらされている。 俺は佳の手に触れた。 「今まで気付いてやれなくて悪かった。気付いたとしても気付かない振りをしていたのかもしれない。悪かった」 佳は微笑んで頷いた。 「だけど、朔達にボコられるんだろうな。裏切っちゃったし」 「話せば分かってくれる。もしそれでも分かってくれなかったら俺が守ってやるよ」 「それは頼もしいね」