今日は、涼が優しい。 普段こんなことしないのに、なんでだろう。 朔以外、初めて誰かの後ろに乗った。 涼の運転はいつも荒々しいのに、優しかった。 眠くなるぐらい。優しかった。 「なぁ」 「ん?」 「お前、ずっとこの属にいるよな」 「え?」 バイクを止め、こっちを向いた。 ヘルメットしてるからあまり顔はよく見えない。でも自分を見ている事はわかる。 「何があっても絶対離れなんなよ」