「お前、教えるの上手いな!今まで出来なかった俺が打てたんだ。すげぇーよ!」
「まぁな」


夜遅くなってしまった。
俺達はバッティングセンターを出た。


「今日は俺が前に乗る。後ろに乗れよ」
珍しく涼がそう言った。
いつも疲れたから早く運転しろよって文句言うくせに。

「わかったよ」

俺は後ろに跨った。
手はどこにしようか迷っていると、涼が俺の手を掴み、自分の腰に回した。

「ここの方が、安全だろ」
「あ、あぁそうだな」