その日私は、なんとなく学校をサボりたい気分になった。前から時々あった、急にサボりたくなってふと学校へと向かう足を止める。
(あぁ、今日もか。)
別に学校が嫌いとか、授業がしんどいとか、ましてや友達がいないという訳では無い。ただ、ただなんとなくサボりたくなるのだ。
私は駅のホームの真ん中で立ち止まる、忙しなく私のそばを駆けていく人の群れ、この光景はいったい何度目だろうか。
自分がしたいと思った事、その為に親に無理を言って入れてもらった大学。
朝普通に家を出たはずなのに、サボるつもりなんてなかったのに、家に向かってUターンしてしまう足。
前から時々あった。
このサボり癖は治らない。治したいと思っても無理なんだ。
昔からそうだった、何度言われても治らない。
課題・提出物・練習・予習復習・テスト勉強でさえ、しない、できない。
いや、しなくてはならない事だけでない。自分がしたい事、遊び、それすら私が少しでも面倒臭いなどと思えば簡単にしなくなる。
私自身がしたいと思ったことさえできない私が、自分がしたくないことなどできるわけが無い。

勉強は?―ううん、したくない。
課題出てたでしょ?―うん、でもやらない。
テスト近いじゃん―そうだね、勉強しないけどね。
じゃあ、遊ぶ?―今は動きたくない。
それなら寝る?―…それもできない。
…じゃぁ、何がしたいのさ?―…分からない。
自分のことなのにわからないの?―自分のことなら何でもわかることが出来るの?
…。―ほら、答えられない。
しなきゃならないこといっぱいあるのに―そうだね、しなきゃいけないとは思うよ。
じゃあしようよ―それが出来ない。
なぜ?―分からない。

幾度と繰り返した自問自答。
しなきゃいけないとはわかってる。
なんどもしようとした。
無理だった。

変わりたい。
かわりたくない。
カワレナイ。