ぼっちな彼女と色魔な幽霊






放課後、駅へ向かっていた。

「ひな子の慌てた顔は笑えたなー」

ヨウはホームルームの出来事をまだ引きずっているらしく、思い出しながら笑っていた。

「面白くない」

「お前、まっすぐ帰んの?」

「帰るよ。ぼっちは予定なんてありませんから」

「ふうん。ぼっちじゃない奴って何してんの?」

「えーっ? 部活したり? 友達と買い物したり? カラオケ行ったり? まあ、あと彼氏とデートとかしてるんじゃないのー? てか、わたし独り言激しい人みたいだから、無駄に話しかけないでよ」と、周りを気にしながら小声で言い返した。

「ひな子もデートする相手いたらいいのにな。ご愁傷様」

わたしの話は全部無視かい。俺様幽霊め。

「ご愁傷様は自分でしょ。いいの。脳内彼氏と脳内デートしてるから、ほっといて下さい」

「脳内彼氏?妄想ってことか?」

あ、つい変なことをしかも偉そうに言い切ってしまった。またバカにされるに決まってる。

「脳内彼氏とどういうデートしてんの?」と、案の定含み笑いで訊いてきた。

隠すと余計に面白がられそうだから、開き直った。

「色々だよ。放課後は自転車を2人乗りして帰ったり、普通にカラオケ行ったり、公園でお喋りしたり、海でいちゃついたり。はいはい。どうぞ笑えば。どうせ彼氏なんかできないもんね。ええ知ってるよーだ」

ヨウは卑屈めいたわたしを気にする様子もなく「海か」と呟くと、「行くか」と言った。

「はあっ?」

「あの電車、一本で行けるだろ」

「そうだけど」

なにこの気分屋で唐突な展開。