ぼっちな彼女と色魔な幽霊


だけどヨウは調べる対象を別のものに向けた。

「そのモデルになった女の子って誰なんだろ」

切なげな表情をする。

「絵を描きたいんじゃなければ、俺はその女の子に会いたいのか?
ということは、俺、好きだったりしたのかな。
だから成仏できないのか?……って、考えてもなにも浮かばねーな」と、小さく溜め息を吐いた。

なんて言っていいのか、わからない。

ふざけて見えたけど、ヨウなりに成仏できない理由を真剣に探していたというのが伝わってきたから。

「そう言ってもその子だって年を重ねて別の場所で暮らしてたりすんだろうし、はっきり自分の年もわかんないから、今いくつになってるかもわかんないし。顔も浮かばないし見つけられない気もするよな」

どんよりとした空気が漂う。

耐えきれなくて、思いついたことを励ます体で言った。

「ね……ねぇ?もっと単純に考えてみたら?」

「単純?」

「高校生の男の子が、やり残して後悔しそうなこと、とか」