ぼっちな彼女と色魔な幽霊


もしかして。

さっきまで二嶋くんがいた席を見ると、思った通り、足を組んでわたしを睨みつけるヨウがいた。

「ニヤニヤしてんじゃねーよ」

「してません」

「お前、あいつに名前で呼んでいい? とか言われて、わたしのこと好きなの?キュンとかしてんじゃねーよ」

グサッ。

「……お、思ってません」

「ははん。図星だな」

ヨウは勝ち誇った様に笑いながら立ち上がった。

「んなわけないでしょ。全然話したことないのに」

「だよな?なんかお前、友達いないしな」

「……うっさい!」

睨むと、ずぃと顔を近づけた。

「……な、なによ?」

「でもあのタイミングで好きな子訊く位だから、可能性はなくはないかもな。良かったね、ひな子ちゃん」と、わたしの頬に触れる。

「ぎゃあああっ!だから冷たいって言ってるのに!」