ぼっちな彼女と色魔な幽霊


ドアに手をかけると、急に肩をつかまれた。

「えっ?」

「……」

振り返ると、「なんかわかんねー」とヨウは困惑の表情だった。

「勝手に手が動いた」

「……」

「……」

「……ヨウ?」

「はっ?」

「ヨウだよ!」

わたしは彼の両手を握った。きっとヨウが目覚めた。そんな気がしたんだ。

「きもいから握んな」

そう言うのに、ヨウの手は振り払うことなく、わたしの手を強く握る。

「おっ……お帰り」

ダメだ。

涙腺限界。

世界が、ヨウの顔がふにゃふにゃに見える。

「意味わかんねーし」

「わかんなくてもいいよぉ」

「泣き方、きもいし」

「だって……だって……だって……やっとわたしを見つけてくれたんだもん。きもいくらい泣くに決まってるじゃない」

「ああっ。なんかまじわかんねー」

言葉とは裏腹に、ヨウはわたしを包み込むように、優しく抱きしめた。