ぼっちな彼女と色魔な幽霊


「食べ物を投げるな!」

わたしは立ち上がり、ヨウに向かって叫んでいた。

「幽霊のヨウはね、意地悪だったけど、もっと優しかったよ!

人の手作りをこんな風に粗末にする人じゃなかった。

わたしのおにぎりだって好きだって食べてくれたもん。

全然、違うよ!

名前があるからなんなの?

名前のないヨウのほうが、領なんかより素敵だったよ!

現実生きるのって、そんな風に人に冷たくして自分を守らなきゃいけないくらい辛いものなの?

そんなに……そんなにがっかりするくらい変わらないでよ! 」

涙が目の縁を越えないようにって、力をいれる。

「……ていうか、もういい! もういい! ヨウなんか嫌い! 大っ嫌い!」

きっと睨んで、わたしは扉へ向かった。

本当に、サヨナラだ。

バイバイ、大好きだったヨウ。

この屋上と共に、思い出を封印する。

ヨウの笑顔も、優しさも、バカにする声もすべてすべて過去の中にしかなかったんだ。

やっと気づけたよ、ヨウ。

ありがとう。サヨウナラ。

せめて心の中だけでも、優しい言葉で終わりにするんだ。