そんなことを考えながら階段を上っていると、ヨウが下りてきた。
なんか、これもデジャヴ。
あのときの、再会を喜んだ気持ちを返してほしいよ。
ヨウはもうわたしを見ないのだから、これ以上、傷つきたくなくて、自分から逸らした。
遠のく足音を聞きながら、こんなに意識してしまう自分に呆れてしまう。
急に「あのさ」と声をかけられた。
ヨウだった。思いもしないことで、振り返れずにいると、「お前だよ」と呼ばれる。
「えっ?」
「お前が変なこと言うから訊くけど」
「うん」
ポケットに手を入れて取り出したのは、屋上の鍵だった。
「お前、この鍵なんかわかるか?」
「……」
「だよな。いい。忘れろ」
階段を下りていく。
「わかるよ!」
ヨウは振り返った。
「わかる」
「何?」
「ヨウの心の鍵!」



