「なんか痩せたんじゃない?」
休み時間。机に肘をのせ頬杖をつく才伽ちゃんが言った。
「えっ?」
「違うなぁ。やつれてる。何かにとりつかれた?」
「ううん。むしろとりつかれたいくらい」
「葛西に撃沈したもんね」と、同情するような視線をくれて、ジュース買ってきてやるよ!と、行ってしまった。
最近わたしは毎日ツナマヨのおにぎりを持参してる。
食べたら思い出すかな、なんて考えたけどまず食べてくれるわけがない。
ふと黒板を見ると、さっきの歴史の授業の文字がそのまま残っていた。
才伽ちゃん、日直だったのに消してないんだ。
しかもわたしの為にジュース買いに行ってくれちゃってる。
申しわけなさすぎて、変わりにわたしが消した。
終わってから、黒板消しを裏返すと真っ白だった。
きれいにしようかな。
窓に行き、ぱんぱんと黒板消しを打ち鳴らす。
げほっと声がした。
左下を見ると、机の後ろに座っているヨウがいた。
はっ。しまった。また怒られて嫌われる。



