ぼっちな彼女と色魔な幽霊


あんなに嫌わなくたっていいじゃん!

ヨウと初めて会った日みたいに、全力で走る。

なんだよ、なんだよ、なんだよ!

息が苦しくなって、立ち止まった。

振り返ってヨウがいつもみたいにいたらいいのに。

いないのなんてわかってるから、振り返らず駅に向かって歩いた。

「ハァ」

虚しい。

諦めたほうがいいのかな?

諦めるってどうすればいいんだろう?

ああそうか。我慢すればいいんだ。

ヨウが女の子とお昼を食べたりするのも、意地悪な冗談を言ったりするのも、デートだから可愛くしてほしいなんて思ったりするのも……そういうのを全てわたしにはしてくれないことだからって理解した上で我慢すればいいんだ。

そんなのって、考えただけでつまらなくて魂が死んでるみたいだ。

キキッと急ブレーキの音がした。

ヨウを自転車の荷台の後ろに乗せたニ嶋くんだった。