ぼっちな彼女と色魔な幽霊


「レベルが上がれば自然に気付くって言われた。

人間で言う悟りみたいな感じで。

けど今だってなんも浮かばないし、悟ったことなんかないから、そんな感覚わかんないし。

だから俺はたぶんレベルなんて上がっちゃいないと思ってる。

それと身体に入るチャンスは一回きりだって言われた。

違うレベルの魂が入り込もうとすると、本来収めるところじゃない場所に魂を収めてしまうから、二度と目は覚めないらしい。

この身体がなくなるまで」

ゾクリと身体が粟だった。

魂が戻ってもヨウは目を覚まさない可能性があるなんて想像するだけで怖かった。

生きてるのに眠り続けるなんて、そんなの耐えられるわけがない。

見守るほうも、ヨウの魂だって。

もう目を覚まさないとわかりながら、そばにいるなんて、想像したくなかった。

「一瞬さ、思ったよ。

身体に戻っても目を覚まさないなら、このまま……魂のまま終わったほうがいいのかなって。

昨日とか特に思ってた」

「……」

「まあ俺の身体に触れてから意識が飛ぶようになったから、たぶんこうやって魂だけの姿でいるのも長くいられないんだと思うけどさ」

わたしがヨウのレベルを上げる為にいるというのなら、今のヨウに何が必要かわかるはずなんだ。

考えろ。考えろ、わたし。

ヨウの魂を輝かせる為に……何が必要?

一緒にいていつも思ってたのは、思いやりの心を持ってほしいとか、気を遣ってほしいとか、そういうところだった。

それとも意地悪だから、素直な心が必要だとか?

そしたら……。

今やっぱり可能性として思い浮かぶのは花愛先輩のことしかなかった。

別れた原因はわからないけど、素直な気持ちで花愛先輩と向き合えればいいんじゃないかな?

あれ?でも見えない。

見えないけど、でももう一度ちゃんと会ってみたら変わったりするのかな。

ヨウの身体に触れたみたいに触れたら、何か感じたり伝わったりするのかな?