「ん? わかんない。学校で急に意識失ったかと思ったら、それっきり目を開けない。検査しても悪いところも見当たらない。だから医者もお手上げらしくずっと寝てるよ」
「そうなんだ……お見舞いみんな行ってるの?」
「俺は最初だけ。でも新は今も行ってるかもな」
「やっぱり二嶋くんは優しいね」
笑うと、冷めた目で見られた。
「優しいじゃなくて、後悔だよ」
「後悔?」
下手なこといったと思ったのか、口を閉ざす。けど、じっとわたしは彼を見つめた。ふっと力が抜けた。観念したみたいに。
「あの日、領と新が学校で喧嘩したんだ。けっこー派手めの。
そんで仲直りとかすることなく別れたら、そのあとあいつが倒れた。そのまま意識不明。後味悪いだろ?」
「……なんで喧嘩したの?」
「新の好きな奴、知ってるだろ?」



