「そう……あなたも領のお見舞いに行ってる?」
「お見舞いって?」
「入院してるじゃない。ずっと意識、ないでしょ?」
息をのんだ。
「本当に知らないの?」
先輩が訊いた。少し表情が抜け落ちた、そんな顔で。
「知らないです」
「変な子」と、クスリと笑った。
「変ですよね。急に幽霊見えたとか、成仏させたいなんて言うの」
「変よ。だって……」
何か言いかけて飲み込んだ。
「人魚の絵は去年の文化祭に領が遊びに来てくれて、そのときに見てもらったの。
なぜか一番乗りで来たから笑っちゃった。
人魚姫?って言うから、赤い蝋燭と人魚って話だと教えた。
確かにそのとき、その人魚が自分みたいなんだって彼に言ったわ。
本を見せて簡単にストーリーも伝えた」



