「からかってないです。
こんな話、信じられないのは当然ですよね。
すみません」
謝る。きっとこれ以上話なんか訊いてくれないだろうと察する。
だけど先輩は消えいりそうな声で呟いた。
「幽霊になるわけないじゃない。彼はまだ生きてるんだから」
「えっ?」
「勝手に殺さないで」
「生きてるんですか?」
だってヨウは死んでるはずだ。誰にも見えない幽霊だ。
「知っててわざとそういうこと言ってるんでしょ?
それかそんな話を知ってるってことは、あなたは領の新しい彼女なの?
遠回しにわたしにもう領に会いに来ないでって言ってるのかな?」
「ち……違います」
「じゃあ」と言いかけて息を吐いた。
それから気を取り直したかのように、「ごめんなさい」と、小さく謝った
「あなたの言うことは、ごめんなさい。
本当に信じられない」
「……」
「あなたは彼の何なのかな?」
「えっ?」
「何を知りたいのかわからないけど、そんなに必死だから。只の友達みたいに思えない」
「好きです。すごく」
伝えると哀しそうに笑った。



