ぼっちな彼女と色魔な幽霊


階段に座り、海を眺める。今日も人がいなくて静かだ。

「急に海行くとか言うから、驚いた」

「ん? なんかさー。どうせ消えるなら好きな場所にひとつでも多く行っとこうかと思って」

「好きな場所?」

「ああ。ここの海と、屋上とひな子んちのベッドくらいしか浮かばねーけど」

「全部わたしと一緒に行ったとこじゃん」

「あっ。あと図書室もかな。ひな子と同じで行動範囲狭いな俺も」

そう言われて嬉しいのに、悲しくなった。

ふっと笑い返すと「で、さっきの話したいことってなんだよ?」と聞いた。

「あっ、うん……。なんかすごいモヤモヤしてるんだけどさ。ヨウ。わたし、わかったことがあるの」

「なんだよ、急に」

「ヨウはたぶん最近まで生きてたみたい。二月くらいまではおそらく」

「なんで?」と、訊かれ、カラオケで歌っていた歌が最近発売されていたことと、去年の文化祭にあの絵は展示されていて女の子が描いていたことを話した。