鞄を椅子の上に置いた。
セーラー服を脱ごうと左脇のファスナーに手をあてると、なにかの視線に気づく。
嫌な予感がして、首だけで見ると、ベッドの上であぐらをかいている、さっきの男子がいた。
「……えっ?」
「いいよ。気にせず、脱いで」
また周りを確かめてしまう。
窓から侵入した?
まさか2階なのに?
それともママに友達ですなんて言って図々しく入ってきたのかな?
いや待てよ。なんでわたしの家がわかるの?
「まあ色気ないから、脱いでも興奮しないけどな」
「……なっ……なんなのあんた? どうやって入ったの?」
「どうやってって、玄関から」
「勝手に?」
「うん」
「……ど……泥棒!!」



