でも怒ることじゃないし。気を取り直してわたしは訊いた。今日のこと、気になっていたから。
「あ。ていうか、お話してきた?」
「ん?」
「さっきの子」
「あー」
バツ悪そうに顔を歪ませると、「追いかけたけど見つけらんなかった」と、残念そうに呟いた。
その一言に、胸がすいた。
「あ……そうなんだ。ヨウでもそういうのあるんだね?」
「ひな子を見つけるの得意なんだけどな。なんかたまに呼ばれるし」
「はっ? 呼んでないし」
「こう頭にガツンとくんだよな。助けてとか寂しいとか。そういう負の感情みたいなのがダイレクトに伝わってくる。お前は本当はなんなんだろうな?本当に俺のこと知らないの?」
覗き込むように見る。