ぼっちな彼女と色魔な幽霊






「ひな子」

ん?

目を覚ますと、わたしは部屋のテーブルに突っ伏していた。眠っていたらしい。

「ヨウ?」

時計を見るともう18時を過ぎている。

「遅かったね」

「ああ」と言うと、テーブルに置いていたミサンガをつまんだ。

「作んの早くね?」

「2時間は、かかんなかったかな」

「かっけーじゃん。サンキュ」と、腕にあわせる。

「ひな子の成仏への思いは強そうだからな。
さっさといなくなれって怨念こもってるから、これで俺もすぐあの世にいけるな」

そう言われると笑えなかった。

成仏してほしい、なんかより、今日ヨウがこの家に帰ってくるのか気になって気になって仕方なくて、そのことばかり考えて編んでいたのだから。

「編み直そうかな」

「なんで?いいじゃんこれ。気に入った」

「でも」

「……つうか俺、ミサンガつけたら浮いちゃうか?俺の代わりにひな子につけていい?」

「えっ?」と、腕をとる。冷たい……。

「できた」

嬉しそうに笑うのに、わたしはなんか変な気持ちだ。