とられた腕にドキドキしたけど、階段の前に来てすぐに離れた。
あの嫌な空気から連れ出してくれたんだってわかった。
またブランケットかけられた。
でも、今日は息苦しくない。しっかり肩にかけられている。
そっか。
かけられたんじゃなくて、投げられてただけか。
受け取ったわたしが勝手に頭までかぶって、息苦しくさせていじけていたんだ。
だって、やっぱり今日も他意のない優しさは感じられるから。同じもの受け取ってる。
二嶋くんは、「じゃあ俺、部活だから」と言った。
「あ……うん。頑張ってね」
そう言うと頷いて二嶋くんは行こうとするから、「二嶋くん……あの!」と、止めた。
だってたぶんあの女の子達が言っていた話、耳に入っていたはずだから。
わたしのせいで嫌な思いをさせたのだから、謝らないといけない。
だけど二嶋くんは、わたしが謝るより先に、「俺の悪口を言いたいからって、ひな子ちゃん巻き込んでごめんね。気にすんな」と、笑って言った。
「違う。逆だよ。わたしのせいで悪く言われた」
「でもひな子ちゃんにかばってもらって嬉しかったよ。
悪口言われて得したかも」
「えっ?」
「それと仕方なくじゃないから。ひな子ちゃんだからだよ、誘ったの」
「……」
「ああいうとき無理すんなよ。呼べよ、俺とか」と、二嶋くんは下駄箱で靴を履き替えたかと思うと行ってしまった。
ふぅと息を吐く。
怖かったんだって、自覚した。



