「拓登には伝えたの?」

「、、でも、拓登くんは私のこと忘れてるみたい」

「…あいつ、たぶん忘れてねーよ」

「えっ?」

颯太は向きを変えベンチに戻っと来ると、腕を伸ばし大きく背伸びした。



「あいつ中学んときからモテモテでさ、告白されてるとこに居合わせたことが何回かあって、、でもまぁ、むかつくくらい羨ましいことに100パー振るんだわ」

「…うん」

「そんとき必ず『俺、結婚を約束してる女がいるから』って……あいつ、てきとーに嘘ついてるっつってたけど、、あれ、乃里花ちゃんのことだと思う」

「うそ…、、」

乃里花はビックリして言葉に詰まる。

「……今でも好きなんでしょ?拓登のこと」

「、それは、、」

「それとも想像してたたっくんと拓登は違った?」

「…」

分からない。

確かに乃里花が想像していた優しくて頼もしいたっくんは高校生になって変わってしまった。

でも、覚えていないと言っていたはずの乃里花との思い出、本当に拓登は覚えていてくれているのだろうか。

なら、なぜ嘘を…?


「俺はさ、それでも乃里花ちゃんのこと好きだよ?…でも、乃里花ちゃんが拓登との思い出を引きずったままなら、付き合いたくない」

「うん…ごめん。。」