「岡槻さん」

______? この声は……もしかして

「はい?」

「ちょっと来てくれない?」

_____やっぱり、篠宮くんだ……

「……分かった、ごめん茉侑ちゃんちょっと行ってくるね」
____もう!文化祭で呼びに来るとか……目立つって……

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「急にどうしたの?」

「あぁ、最近全然話してないなと思って」

「そうだけど、別に話なんてしなくてもよくない?」

「岡槻さあ、……なんでちょっとイラついてんの?」

「別に……イラついてない」

「そうか?そのわりには、前より反応がきついぞ?」

「気のせいだよ」

____篠宮くんの顔を見て、またイライラするなんて……せっかく文化祭楽しんでたのに

それに、イラついてることに気付かれたらいけない気がするんだ____

「岡槻、もしかしてキスのこと気にしてんの?」

……はぁ?ほんとにむかつく!私は、真剣に悩んでたのに……

「キスなんてした?覚えてない」

私は、何故かすごくイラついてキスの事は無かったことにしようと思い静かに言い放ち顔を背けてしまった____

「……ふ〜ん」

一瞬の沈黙の後篠宮くんは、何かを企んだような声色でこう言った

「ほんとに覚えてないのか試してみる?」