きみを想うこと

教室について、自分の席に座る。

早く浩斗のことを伝えたくて伊織に会いたかった。伊織にメールしたら1時間目には間に合うということだった。

チャイムが鳴りHRが始まった。

「HR始めるぞー。そして今日このクラスにもう一人仲間が増えるぞ。転校生だ。入ってきな」

先生が入ってきたと思ったら、転校生の紹介がありその生徒が入ってきた。

私はとっても吃驚した。だって、浩斗が転校生として私のクラスに来たから。
浩斗はきょろきょろしてるようで私には気づいてないみたいだった。

私のクラスは他のクラスより人数が多いから探してたとしても難しいであろう。

「……関西からきました。園田浩斗です。よろしくお願いします」

浩斗はしっかり自己紹介をしてお辞儀をした。

今思ったら浩斗イケメンだなぁって思った。
周りの皆はイケメンだ!とか友達になりたいとか声が上がってて人気だなぁと思い少し笑った。

浩斗、私に気付くかな?席は何処だろうと思った。

「じゃあ、席は窓側の一番後ろだ。楠が隣だ。委員長だから何でも聞くんだぞ。」

浩斗ははいと言うとその席に移動した。あまり席は近くなかった。
もっと言えば遠い。
私は廊下側の1番後ろだから。

嫌だったけど、席替えするかもしれないからそれを願い伊織を待った。










ガラッーー

教室のドアが開いて後ろを向くとそこには伊織が息を切らしながら入ってきた。

遅刻だけど先生はいなくなってたから大丈夫だった。

「伊織!……おはよ」

「おはよう!間に合った……?」

「HR終わったばっかりだから大丈夫だったよ!」

そう言うと伊織はホッとした表情を見せた。伊織は私の前の席だからバックを置いて席についた。

「今日寝坊してさ〜まじ最悪。悠士と朝行く約束してたのに」

伊織は鏡を見ながらそう怒っていた。
悠士とは、坂木悠士(さかきゆうし)。先輩で伊織の彼氏だ。

彼氏との約束を破った伊織は悲しい顔をしていて私は慰めることしかできなかった。

「悠士先輩そんなことで怒らないよ。元気出そう!」

「そ…うかなぁ……不安だわ」

伊織何回も遅刻してるのに今日こんだけ萎えてるからどれぐらい悠士先輩と行きたかったのがわかった。

伊織を見つめていると、窓側の方から声が聞こえた。

「園田くん関西から来たんだねー!彼女はいるの?好きなタイプは??ねぇねぇ!」

浩斗への質問タイムが始まってた。そうだ、今日浩斗私のクラスに来たんだった。

それを伊織に伝えるのをすっかり忘れていたから口を開こうとしたら……

「え?なんで園田浩斗が私らのクラスに?まさかの転校生?!」

伊織はその質問で転校生だとわかったそうだ。
私はコクリと頷いてまた口を開いた。

「さっき紹介されてさ。その前に私今日の朝電車で浩斗と会って一緒に学校まで来たんだ。それで多分このクラスで私が1番先に仲良くなったと思う……」

自意識過剰かもしれないけど、そんな気がする。

「そっかぁ。葉月成長したな!!応援してるよ?」

伊織はわかってくれて私の頭を撫でてくれた。

「葉月はさ、好きなの?」

「まだわかんない。でもずっと浩斗のこと考えてて離れなくて。」

「それ好きってことだよ。私も悠士と付き合う前はそうだった」

恋愛相談のようになってしまったけど、伊織の話を聞いてなんとなくわかった気がした。

「浩斗のとこ行きな?ほーら」

伊織は私を立ち上がらせて窓側の方へ引っ張ってくれた。
浩斗の周りは女子たちで囲まれてたから私が言っても見えなくなるだけだった。

だから勇気を振り絞って浩斗の肩を叩いた。
そうすると浩斗はゆっくりとこっちを見た。
その目は吸い込まれそうでてか初めてこんなしっかりと見たかもしれない。

周りの女の子たちの視線が怖かったから、早く言わなきゃと思って震える唇でなんとか言った。

「浩斗…、同じ……クラスだよっ」

浩斗は私の顔を見て私だとわかったのかその場を立ち上がった。

「葉月?!やんな……まじ?良かったわ
でもなんか同じクラスになるような気がしてたわ」

浩斗は笑顔になってそう答えてくれた。

「葉月席どこなん?見つけられんかったわ」

「廊下側の1番後ろ!良かったらいつでも話しかけてきてっ」

「おーあそこか。毎回行くわ。チャイムなるで。またな」

浩斗は私に別れを告げ自分の先に座ったので私も席に戻って座った。

伊織はニヤニヤしながら私をずっと見ていた。

「二人ともお似合いさんだなぁ。羨ましい。まだ時間はあるからゆっくり考えていきな」

伊織は優しくそう言ってくれて前を向いた。

浩斗と少しだけでも話せてよかった。

毎日がもっと楽しくなりそうだ。