バレンタイン当日_______。

その日は雪が降っていた。

学校が終わり、約束していた夜7時

コンビニ前へ向かった。

もう拓人は来ていた。

雪が降っているのにも関わらず、

傘もささずに。

正直バカなんじゃないかと思ったけれど

そこはスルーしてチョコを渡した。

本当はここで告白するはずだった。

でも勇気が出なかった。

唯一口から出た言葉は

「バレンタイン何人から貰ったの??」

自分でも本当に失敗したと思った。

いってすぐに後悔したけれど取り消す

こともできなかった。

拓人はニヤッとした笑顔で

「ないしょ!」

って答えてそのまま帰っていった。

しばらくコンビニの前でボーッと立っていた。

勇気が出なかった自分が悔しかった。

本当はこんなはずじゃなかったのに。

でも告白してこの関係が壊れるくらいなら

告白なんかしなくても良かったのではないかと

自分に言い聞かせた。

家に帰ってきてから見た携帯には

拓人からメールがきていて内容は

「チョコ美味しかったよ」って。

告白出来なかったことを残念に

思う気持ちなんて

全部吹っ飛んだみたいに嬉しかった。