卒業式当日______。


拓人を見ていられる最後の日。

ずっと隣りにいた拓人とは今日でお別れ。

この式が終わったら私は拓人に告白する。

昨日メールで式が終わったら校舎裏に

来てって予め伝えておいたから。

もう卒業とか考えられないな。

3年間って本当にあっという間だったな。

って振り返ればちょっと涙が出そう

だったけれど頑張ってこらえていた。

卒業式は無事に終わりあとは拓人に

告白することだけを考えていた。

小学校1年生の頃からずっと側にいた拓人に

今日、私は気持ちを伝えるんだ。

この友達という関係が壊れてしまった

としても……。

校舎裏に着いたときにはすでに拓人は

待っていた。

「待った?」

なんて似合わないこといっちゃって。

拓人は全然待ってないって言うけど

本当はどうかわからない。

まずは伝えたいことをちゃんと

伝えなきゃいけない。

「いきなりなんだけどね………。

5年生の時のチョコは義理チョコでもなく

友チョコでもなく本命だからっ!」

心臓がバクバクしていた。

私はこれが1番最初について言いたかった。

拓人はとても驚いたような顔をしていた。

でも本当に伝えたいことは………

「小学校1年生の時から好きでした!」

いった!自分の全部の勇気を振り絞って!

拓人はすごい驚いていてでもその後に

すごい優しい笑顔で笑って……

「俺もなんだけど!俺から言いたかった。」

って。

最初理解するのにすごい時間がかかった。

そして理解したと同時に涙が沢山出てきた。

本当に夢のような事だから。

「俺と付き合ってください。」

そんなこと絶対いわれるわけないと思ってた。

一生こんなこと起きるわけがないと

思っていた。

もし今日告白することが出来なかったら

こんな奇跡を味わうことなんか

絶対に出来なかった。

そして同時に5年生の時に素直に

告白していればよかったと思った。

けれど、今こうして両思いになれて

本当に嬉しかった。

勇気をだして告白してよかったと

心から思えた。