いつの間にか、あたしの家の近くまでは来ていて。

「あ、ちょっと待ってて! この間の傘返したい」
せっかくだから今返しちゃお。



「待て」
「えっ…」
気づいた時には腕を掴まれていた。

「ちょっと離して」
「イヤ。離さない」
なんで、どうして。なんで、なんであたしなんかの腕を掴むの? 分からない、私には分からない。

「…傘、返したいんだけど」
「…傘返したいならさ、、、オレと付き合え」