「さてと! 楓のお目当は誰になるかな?」


「お、お目当て⁉︎」


「あれ? 言ってなかったけ? 合コンだよ、今日行くの」


「ええええっ⁉︎」


自分でも恥ずかしいくらい大きな声が出てしまった。


「ちょ、ちょっと楓! 声デカすぎ! ほら、人見てるし」


「あ、う、うん…」


「…ほんとゴメン。でもね、楓には前に進んで欲しいなって思ってさ。おせっかいだって分かってるけど…」


「…ありがとう。今すぐかは分からないけど、少しずつ前に進んでいけたらって思う」


「…そっか。応援するね」


「でもちょっと急だよね?」


「…うん、ゴメン」


でもまあ、こうやって前に進んでかないとね。


けど、たぶんこの先どんな幸せが訪れようと、ツラい過去を忘れることはない、そう思うんだ。