「…ま、いっか! とりあえず中入ろうか」


「は、入るって…⁉︎」


「やだなぁ〜。買うんでしょ? プレゼント」


「あ、いやその…」


今さらウソだなんて、とても言いにくい雰囲気。


「入ろうよ? いいものあると思うけど」


ダメだ、言わずにはいられない。


「…そんな、優しくしないで」


「…なんで? 女の子に優しくするのに、理由なんてないよ」


「…さ、さ、さよなら!!」


「あ、ちょっと!」


どうしていいか分からず、混乱した私は逃げかえってしまった。振り返ることもせず…


あんなこと言われて、冷静になんかなれるわけがない。


逃げかえるのが精いっぱい。そう思った。









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