「…なにやってんの?」


「…っ⁉︎」


振り返ると、そこには…!


「…お、岡田 嶺人…」


「正解! つか、オレの名前知ってたんだ?」


「か、傘に書いて…あったから」


「なるほどね…!」


ニカッと少年のような笑みをこぼす。サラサラの黒髪が風に揺らぐ。


「あ、傘返さなきゃだよね…? あっ、あと学校は「それよりさ‼︎」」


「え…?」


「寄り道…していかない…?」


きたー! 放課後デートのお誘いでしょこれって。


けどね…、やっぱり恋やなんかとはちょっと距離を置きたい、すぐには前向きになんてなれないよ…。


ていうか、むしろ早く傘を返したいっていうね、うん…。