カメラ越しの君に




「こいつ!早川 想!俺と同じ三年だから!まぁっ!!!」

優先輩は立ち上がって
バシバシっと早川先輩の肩をたたいた

「いたっ…」

「まぁ、仲良くしてやって!!」


早川先輩は私と桜子に見向きもせずに
部屋の奥にあるもうひとつの扉を開けて
その中に入っていってしまった



―バンッ―

無機質な扉の音だけが響く


私と桜子は思わず固まった

黒髪の中に見えた瞳は、冷たい気がした