でも、つい先日、俺と秋がいなかった日、クレーマーの撃退でSNS上に夏樹の写真が拡散してしまい、六花の手が遅れ、紫炎に夏樹の居場所が伝わった。

 初めこそ下っ端が夜間来ていたらしいが、夏樹がことごとく撃退。

でもこのまま逃げ切れると思っていなかった夏樹はあいつらが来た翌日、紫炎に出向くつもりだったらしい。

 でも、あいつらはあの日やって来た。

夏樹も六花もまさか総長が直々に来るとは考えていなかったらしく、本当に想定外だったらしい。

 結果、夏樹がいない間に襲撃を受け、夏樹の居場所を聞き出そうとしたあいつらが暴れ、俺たちは怪我を、夏樹は俺たちにこれ以上手を出させないためにあいつらについて行った…。

「夏樹は、戻ってくるんだよな」

「…多分、無理。夏樹は私たちを人質に取られているはず。そうしたら、夏樹はあそこから離れられない」

「…秋にその理由を伝えずに、夏樹が消えた理由を言うのか」

「それは、私が考える。…私のせいでもあるから」

「お前のせいでも、夏樹のせいでもないだろ」

 黙ってしまった六花は、それから何とも言えない顔で黙り続けていた。