「秋、もう会えなくなるかもって言ったから連れて来たんだろ」
「あ、そっか…」
名前聞いても、もう会えないか…。なんだか残念。
夏樹くんは苦笑を浮かべて、悪いななんて言う。
もう会う気ないみたいじゃんか。
「瞬桜くん、そろそろ送っていくわ」
「あ、すみません」
「キミも、送っていくわ。家どこ?」
時間を見ればもうすぐ12時。日付変わっちゃう。
立ち上がった瞬と私だけど、夏樹くんは急に表情を歪める。でもその顔はすぐに笑顔に消えた。
「もう十分お礼してもらったんで、自力で帰るわ」
「え?でも…」
「んじゃ、ありがとうございました」
「え、夏樹くん!!」
ぺこっと頭を下げた夏樹は急ぎ足で玄関に向かって、ちゃんと靴を履かないまま外に飛び出して行ってしまう。
追いかけたけど、夏樹くんの足は速いのかもうずっと遠くに姿があって、追いかけられそうになかった。


