私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)


「…へぇ、楽しそうなことしてんじゃん」

 覚悟を決めた時だった。場に合わない飄々とした声が聞こえたのは…。

 私の首に腕をまわしていた男の人が振り返ったせいで、一緒に振り返る羽目になる。

 そこにいたのは知らない男の子。

 さっきの、カツアゲにあっていた子じゃない。

 黒髪だけど、その雰囲気は不良って感じがして、笑ってるくせに目は笑ってない。

 だ、誰…?この人たちの仲間…?

「…お、お前、…夏樹!?」

「ナツキ…?」

 男の子の名前…?

 男の子は表情だけ笑みの形を作って、少しずつ歩み寄ってくる。

「てめぇ、今までどこにいやがった!!あの人が探して…」

「知らねぇよ。それより、俺も混ぜろよ」

 あぁ、やっぱりこの人たちの仲間なんだ…。

 瞬、お願いだから逃げて。5人もいて逃げられるわけないよ…。

「ッチ、しょうがねぇな…。なんだ、この女が欲しいのか?」

「は?何言ってんだよ」

「あ?」

 腕を掴まれる。

 え?と思う間もなく引き寄せられたときには、私を拘束してた男は地面に倒れてた。

 …え?