ひとつの村が消えてしまった話をする

それから俺達兄弟は実家に戻り、二度とじいちゃん家を訪れる事はなかった。

そのじいちゃんは母方のものなので母親はその霊能力者とも親交があるらしく、何度か実家の方に来てもらった。

月日は流れ、俺が高1の時、じいちゃんが死んだとの知らせが入った。

死因は、何故か話してもらえなかった。

母親にあの『けもの』との関連を問いただしても、だんまりを決め込んで決して答えようとはしなかった。

ばあちゃんは、緩やかに痴呆が進んでいるらしい、とだけ聞いた。

結局、あの『けもの』との関連は判らずじまいだった。

今はただ、あの日の軽率な行動を悔いてばかりいる。

ばあちゃんの世話をするどころか、その死に目にも会えないのが、無念でならない。

これが、俺の話。