この村の村人には、辿静祭に関する三つの『禁』が伝えられており、その禁は親から子へ、子から孫へと伝えられてきた。

俺自身も、小学生の時に両親から教え込まれ、絶対に破ってはならないと言われてきた。

第一の禁・辿静祭前日である8月14日、神主一族以外の村人は、村の奥にある『障芽池』には近づいてはならない。

第二の禁・辿静祭当日である8月15日、全ての村人は絶対に人を入れてはならず、村人も村外の外界に必ず出てはならない。

第三の禁・8月15日・辿静祭当日から8月20日・辿静祭後日の間に、この村で村人に、知人に、家族に、自分に何が起きようとも、その事を生涯絶対に村以外で口にしてはならない、といったものだ。