「真昼、言い過ぎだよ」 「...っ」 亜沙に説教されたことが悔しくて、私はまた走り出した。 私は亜沙に勝てるものなんて、これしかない。 「真昼!待って!」 「ついてこないで!晋也置いてっちゃダメでしょ!」 「じゃあ止まって!」 亜沙が加速した。 負けじと私も速度を上げた。 「待ってって!」 大通りに出た。 ちょうど信号機が青だ。 止まったら亜沙に追いつかれてしまう。 私はそのまま突っ走っていった。 「真昼!!」 亜沙の声がやけに遠くで聞こえた。