1つのことがうまくいかないと、もうひとつのことはうまく行く。
夏休みが明けてから数人の女子が私と話してくれるようになった。徐々に話してくれる人数も増えて、いつの間にかあの時の前のように戻っていた。
ひとつ戻らなかったのは翔太との仲。翔太は控え目だし、私だって今更話しかける勇気なんてない。でも別にどうでもいい。
むしろ急に話しかけてくるようになった女子たちが怖かった。「なんで無視しないの?」なんて聞けるわけもない。モヤモヤしたまま時間は過ぎていき、自分なりになるべく距離を保ちながら、静にクラスの中に溶け込んでいった。