授業の終りをチャイムが告げた。

私が帰ろうとバッグを掴むとその腕を誰かにつかまれた。


『は?』


私は腕を掴んだその男を思い切り睨みつけた。


「それ、こっちのセリフ。何帰ろうとしてんだよ。」


いやいや、普通に帰るでしょ。

私は口に出さずに、さらに鳴海を睨み付けた。


「鳴海くーん!学校案内するから行こー…ってなんで村田さん?」


鳴海の所に来た三人の女子が思い切り顔をしかめた。


『ほら、案内してくれるって。私は帰る。手離してもらえる?』


私が言うと、鳴海は不敵な笑みを浮かべた。

そして、信じられないことを口走った。



「俺、こいつの事好きになったから。
そこんとこ、分かって気を使ってくれない?」



は?


は?は?はーーーーー?


その教室にいた女子全員が悲鳴をあげた。

中には座り込む人さえいた。


頭が整理できないうちに、鳴海は私の腕を引いて教室を出た。