授業が始まってみんな黒板を向いたり自分のノートを見たりで忙しそうにしてる中私は窓の外を眺めてた。

いつもと変わらない外の景色にほっとした。


「おい。」


隣から声が聞こえた。

でも、少し開いた窓から入ってくる心地よい風に私は既に眠気を誘われていて答える気にはならなかった。


「おい。チビ。」


は？


『おい。あんた今何つった？』


私の心地よい眠気を吹っ飛ばしてくれた隣の男に目を向ける。


「1回でこっち見りゃ良かったんだよ。」


相変わらず整った顔は表情が動かない。


『で、私に何か用？関わらない方が身のためだよ。』


忠告する。

私に近づくといいことがない。

そう言おうと、鳴海 亜羅汰のほうを見て私は目を見張った。

彼は、とても優しく微笑んでいるように見えた。


「そんなのどうでもいいんだよ。俺は自分が興味もった奴以外どうでもいいからな。」


私は、優しそうに笑う彼のことを直視することが出来なくて目を背けた。

心臓が変な音を鳴らし出す。

それは、なんだかとても苦しくて、悲しく感じた。