私は1人、取り敢えず図書館に来ていた。
図書館は誰もいない。
唯一学校で気に入っている場所。
『ふぅぁあ…眠い。』
大きな欠伸をして、一人伸びていると目の前に目を大きく見開いたメガネ男子がいた。
「???誰?」
口を開いたかと思えば…
いや、貴方こそ誰?って感じなんですけど。
「この学校の生徒?」
そう聞いてくる彼は、よくみれば制服を着ていなくて、ラフな格好だ。
『…そうですけど。』
私が答えると
「そうかそうか、ふーん。よろしくね。」
と、訳が分からないことを言った。
なぜ、よろしく?
私がそういう顔をしていたのに気づいたのか、彼が少し笑って言った。
「俺、今年からこの学校の図書館の管理人。だから、よろしく。」
どうやら、図書館には管理人ができたらしい。
「君みたいにサボる人が多いみたいだからね。僕が見張っとくんだよ。」
はっ?サボる?
『ちょ、誰がサボってなんか!?』
「冗談だって、今昼休みだし、授業前には起こしてあげるよ。何時から?」
どうやら、冗談で言ったらしく私が寝るのを許可してくれた…みたい。
『…30分から。』
「了解。20分に起こしてあげるよ。」
そう言うと、管理人さんは少し離れた椅子に座り本を開いて読み始めた。
私はなぜだか安心感を覚え、初対面でこの男に気を許して眠りに落ちた。

